警官、来訪 ― 2010年10月15日
○家にいた時の事。
ピンポーンとドアチャイムが鳴り、宅急便とか来る予定ねーぞははぁんこれは新聞か怪しい団体の勧誘か何かだろうそうに違いないここは結構ですとか言うと良いという意味での結構に取られかねないからそういうニホンゴは使わず毅然とした態度でいりませんときっぱり断るべきだなそうだウンそうするべきだそうしよう、と思いながらドア越しで応対。
そしたら、その訪問者の第一声が――
「荻窪警察署の者です」
近くの交番のお巡りさんだったんです。
え? おれなんも悪い事してねぇぞははぁんこれはもしかして近くで凶悪な事件が起きてその事情聴取で…………
とりあえず、本当に警官だったようなのでドアを開けたんです。
制服警官である若い彼は、一枚の紙を出してくれた。
それは『巡回連絡カード』なるもの。
もし僕に万が一の事があった時に備えて、
そのカードに電話番号や緊急連絡先などを記入してもらいたい、と警官が言うワケです。
もちろん、その情報は警察が厳重に保管。
今のアパートに6年ほど住んでいますが、
そんなの一度も――今までの人生でもらった事がなかったので、
僕は少し不安になったワケです。
もしかしてこいつ…なんか悪い奴なんじゃないのか――
警官のコスプレをして各ご家庭の個人情報を入手しようとしている不逞の輩。みたいな。
こういう事を考えてしまう事自体、この世はすさんでいるなぁとか思わざるを得ません。
(社会のせいにしてみました)
しかし、コスプレ野郎かと思いつつも、手錠と拳銃、警棒をしっかり腰に装備している。
さらに誠実な対応で、かなり丁寧な警官。
疑うのもアレだなぁ、おれはなんて自意識過剰なんだ――
とか思いつつ、やはりそれでも疑いの気持ちが晴れず、
ついに必殺の一言を出してみたんです。
「あの……警察手帳見せてください」
言ったぁぁぁぁ!
これ言った瞬間、かなり恥ずかしかった。
どこまで疑ってんのよ、みたいな。
そしたら、その警官、
「そうですよねー。こういう時代ですものねー」
と、にこやかに警察手帳――二つ折りの識別章と呼ばれるアレを見せてくれたんです。
顔写真と名前、そして警察のエンブレム(?)が燦然と光輝く――!
お…恐れ入りました。
疑ってごめんなさい>警官。
……というか、最初から見せろよ。
しかし、今の警察手帳はカッコいい。
ちなみに、実物を初めて見たワケではありません。
僕は昔、職務質問を受けた事がありますから……あはは。
実はかなり前の話になりますが、
ここでたまに書く大脚本家・井上敏樹御大と、近くの喫茶店で仕事をするため、
その道中の公園をプラプラ歩いていた時の事です。
突然、行く手にひとりの男が立ちふさがり、警察手帳をガッと提示ながら、
「すみません、ちょっとお話聞かせてください!」
後方にはベテラン刑事らしき人が、まさに逃げ道を塞ぐように立っている――
もちろん僕らは何も悪い事をしていません。
ただ、この近辺で高身長の中東系の外国人の泥棒事件が多発しているとかなんとか。
僕と井上さんは180センチの身長で、顔も若干濃い(特に僕)、
さらに仕事の資料を詰め、パンパンに膨れたカバンを僕が持っていたもんだから、
見事、職質の餌食となったようで。
――ちょっと待て、そんなに怪しく見えるんか?
い…いやまあ、昼間っからいい大人がプラプラ歩いて、
しかもパンパンに膨れたカバン持ってたらそりゃ疑うわな……
疑いはすぐに晴れたのですが、
「お前ら、本当に警官かぁ?」という御大の堂々たる一言。
(警察手帳を見せていても、外見はそこら辺にいるあんちゃん)
一方、僕は初めての職質に気が動転。
ど、ど、ど、どうしたらいいのよ、おれ何も悪い事してねっす。みたいな。
御大の一言に対して、その私服警官は自分の所属先の詳しい情報、
そして警察手帳をガッツリ見せてくれたんです。
――そんな事を思い出した今日この頃です。
ちなみに職質後、井上さんがポツリと一言。
「『逃げるぞ!』って言えばよかったな」
……そういうのやめてください。
ピンポーンとドアチャイムが鳴り、宅急便とか来る予定ねーぞははぁんこれは新聞か怪しい団体の勧誘か何かだろうそうに違いないここは結構ですとか言うと良いという意味での結構に取られかねないからそういうニホンゴは使わず毅然とした態度でいりませんときっぱり断るべきだなそうだウンそうするべきだそうしよう、と思いながらドア越しで応対。
そしたら、その訪問者の第一声が――
「荻窪警察署の者です」
近くの交番のお巡りさんだったんです。
え? おれなんも悪い事してねぇぞははぁんこれはもしかして近くで凶悪な事件が起きてその事情聴取で…………
とりあえず、本当に警官だったようなのでドアを開けたんです。
制服警官である若い彼は、一枚の紙を出してくれた。
それは『巡回連絡カード』なるもの。
もし僕に万が一の事があった時に備えて、
そのカードに電話番号や緊急連絡先などを記入してもらいたい、と警官が言うワケです。
もちろん、その情報は警察が厳重に保管。
今のアパートに6年ほど住んでいますが、
そんなの一度も――今までの人生でもらった事がなかったので、
僕は少し不安になったワケです。
もしかしてこいつ…なんか悪い奴なんじゃないのか――
警官のコスプレをして各ご家庭の個人情報を入手しようとしている不逞の輩。みたいな。
こういう事を考えてしまう事自体、この世はすさんでいるなぁとか思わざるを得ません。
(社会のせいにしてみました)
しかし、コスプレ野郎かと思いつつも、手錠と拳銃、警棒をしっかり腰に装備している。
さらに誠実な対応で、かなり丁寧な警官。
疑うのもアレだなぁ、おれはなんて自意識過剰なんだ――
とか思いつつ、やはりそれでも疑いの気持ちが晴れず、
ついに必殺の一言を出してみたんです。
「あの……警察手帳見せてください」
言ったぁぁぁぁ!
これ言った瞬間、かなり恥ずかしかった。
どこまで疑ってんのよ、みたいな。
そしたら、その警官、
「そうですよねー。こういう時代ですものねー」
と、にこやかに警察手帳――二つ折りの識別章と呼ばれるアレを見せてくれたんです。
顔写真と名前、そして警察のエンブレム(?)が燦然と光輝く――!
お…恐れ入りました。
疑ってごめんなさい>警官。
……というか、最初から見せろよ。
しかし、今の警察手帳はカッコいい。
ちなみに、実物を初めて見たワケではありません。
僕は昔、職務質問を受けた事がありますから……あはは。
実はかなり前の話になりますが、
ここでたまに書く大脚本家・井上敏樹御大と、近くの喫茶店で仕事をするため、
その道中の公園をプラプラ歩いていた時の事です。
突然、行く手にひとりの男が立ちふさがり、警察手帳をガッと提示ながら、
「すみません、ちょっとお話聞かせてください!」
後方にはベテラン刑事らしき人が、まさに逃げ道を塞ぐように立っている――
もちろん僕らは何も悪い事をしていません。
ただ、この近辺で高身長の中東系の外国人の泥棒事件が多発しているとかなんとか。
僕と井上さんは180センチの身長で、顔も若干濃い(特に僕)、
さらに仕事の資料を詰め、パンパンに膨れたカバンを僕が持っていたもんだから、
見事、職質の餌食となったようで。
――ちょっと待て、そんなに怪しく見えるんか?
い…いやまあ、昼間っからいい大人がプラプラ歩いて、
しかもパンパンに膨れたカバン持ってたらそりゃ疑うわな……
疑いはすぐに晴れたのですが、
「お前ら、本当に警官かぁ?」という御大の堂々たる一言。
(警察手帳を見せていても、外見はそこら辺にいるあんちゃん)
一方、僕は初めての職質に気が動転。
ど、ど、ど、どうしたらいいのよ、おれ何も悪い事してねっす。みたいな。
御大の一言に対して、その私服警官は自分の所属先の詳しい情報、
そして警察手帳をガッツリ見せてくれたんです。
――そんな事を思い出した今日この頃です。
ちなみに職質後、井上さんがポツリと一言。
「『逃げるぞ!』って言えばよかったな」
……そういうのやめてください。